観光庁登録DMO 八ヶ岳観光圏を視察
2020年11月16日、17日の2日間にかけて、東京マウンテンのメンバー15名で八ヶ岳観光圏を訪れました。八ヶ岳観光圏は、山梨県北杜市と長野県富士見町、原村を範囲とする自然豊かなエリアです。
このエリアで、「住んでよし、訪れてよし」をテーマに、持続可能な地域づくりの舵取り役を担っているのが、観光庁登録DMOの「八ヶ岳ツーリズムマネジメント」です。

1日目
まずは、株式会社LIFULLが運営する「LivingAnywhere Commons 八ヶ岳北杜」を見学。ここは、同社が全国に14箇所展開するサテライトオフィスの拠点とも言える場所で、ワーケーションの成功事例として全国から多くの注目を集めています。

LivingAnywhere Commons 八ヶ岳北杜
クルマで移動し、クルマで寝泊まりする“バンライフ”の第一人者で、同施設マネージャーのジョニーさんの案内で施設を見学。即席で作れる小さな家のインスタントハウスを前に、東京マウンテンのメンバーは目を見開いて話を聞いていました。

ジョニーさんのキャンピングカー

インスタントハウスは断熱性と遮音性にすぐれ、1人で集中して仕事したい時にぴったり

株式会社LIFULLの北辻さんよりLivingAnywhere Commonsの取り組みを学びます
続いて、清流が流れる山梨県の白州にある「山梨銘醸株式会社」を訪問。日本酒「七賢」の銘柄で有名な酒蔵です。酒蔵直営のレストラン「臺眠」で日本酒と、酒粕を使ったランチを堪能します。

「七賢」と同じく約300年の歴史を持つ小澤酒造社長の小澤幹夫さんは「普通酒はその土地でしか味わえないお酒。南アルプス甲斐駒ヶ岳の伏流水や、地元農家の契約栽培米を使用していると伺い、地域と共にお酒づくりを進める姿勢を感じた」と感銘を受けていました。

北原社長の案内で明治天皇もご宿泊されたという北原家母屋を見学

「山梨銘醸株式会社」を後にした一行は、長野県の「富士見 森のオフィス」へ。郊外に誕生したサテライトオフィスの先駆け的存在で、もとは武蔵野大学の林間学校施設だったそう。

人、地域、行政をつなぐ地域のハブとして、多様なプロジェクトが生まれ新規事業に結びついているとのこと。移住相談も随時受け付けるなど、利用者と住民が気軽に接点を持てる仕組みづくりが特長です。
夜は「八ヶ岳グレイスホテル」に宿泊。メンバーは、八ヶ岳の夜の代名詞とも言える「星空観賞ツアー」に参加。芝生の庭に寝転ぶと、目の前には美しくきらめく満天の星空が。グッドライフ多摩の青木さんは「流れ星も見えて楽しい体験でした」と満足していました。

2日目
翌日は、清里の「清泉寮」や公益社団法人キープ協会が運営する自然学校へ。元病院の建物をリノベーションした宿泊施設や、周辺に広がる森を視察し、レンジャーから、学校など団体受入れ時のおもてなしについて学びます。

視察のメインとなる「八ヶ岳ツーリズムマネジメント」では、小林昭治代表から、DMO化にあたって関係者との合意形成や事業創出の仕組みなどの具体例を伺います。東京マウンテンの課題なども共有し、前向きな意見交換を行いました。

「民間でも行政でも実務経験のある小林代表の話には説得力があった」と、デザイナーの三井崇寛さんが話すように、東京マウンテンのメンバーは東京マウンテンのDMO化にあたって進むべき方向など、有益な情報を得られたようでした。
「観光客だけではなく地元の人の趣向も取り入れ、双方が幸せになれるカタチを模索する。多少の衝突はあってあたり前。ないほうがおかしいですよ。時間をかけて何度もわかり合おうとする努力が大事ですね」
小林さんが示したのは、とことん地域と向き合うひたむきさと信念。その言葉は、東京マウンテンメンバー全員の心に刻まれました。